KANANでは何度もバイヤーとのディスカッションを重ね、繰り返し試し、
選び抜いたものだけを使用しています。
髪の状態に合わせてその都度さらにカスタマイズをして施術をしています。
しかし
紫外線、ブラッシングや枕などの摩擦、ドライヤーの熱、さまざまな刺激によって
髪のダメージは表面から、そして内部へと及んでいきます。
そのダメージの補修は毛髪内部を整えることからはじめなくてはなりません。
毎日のケアによって毛髪内部を整えて美しい健康な髪をキープすることで、
より美しい仕上がりに変わります。
月に1度のKANAN hairであれば、
残り353日はお客様自身の手によって髪を守っていただかなくてはなりません。
そのためのちょっとした豆知識をご紹介してまいります。
焼けたくない!シミを作りたくない!
肌への紫外線対策は万全でしょう。
ところが髪はどうですか?
実は髪にも紫外線ダメージが大きいのです。
ちょっとこちらをご覧ください。
2016年6月後半の青森県紫外線指数です。
6月でこのありさま。
8月になればいったい、どれほどの紫外線になるのか
考えただけでも疲労困憊です。
毎日の紫外線情報も確認できます。
ご存知の通り、紫外線には3つの種類があります。
UV-A、UV-B、UV-Cです。
UV-Cは地表には届かない紫外線なのでここではいったん忘れましょう。
地表に届く紫外線のうち、UV-Bはわずか5%でしかありませんが、人体に与える影響が大きいために特に気を付けなくてはなりません。
しかしUV-Aもまた、紫外線の95%を占めており、窓ガラスも透過して肌の奥まで浸透するため油断はなりません。
ちなみに、
スキンケアで表示されている指数として
UV-Aをカットする目安にPA
UV-Bをカットする目安にSPF
こちらが用いられています。
ただし、強ければよい!というものではありません。
2時間程度しか持たないために塗り直しが必要になります。
効果が高いものを使うよりも肌への刺激を考えた適度なUVカットスキンケアをこまめに塗りなおすことが必要です。
さて、問題になるのは髪ヘの影響。あまり考えていないという方が大半です。
健康な毛髪はシスチン結合されていますが、
紫外線を浴びるとそのアミノ酸が酸化。
まったく別のシステイン酸が生成されてしまいます。
これがダメージの原因の一つ。
この時期、プールや海を楽しむことも多くなりますが、濡れた髪への紫外線の影響はさらに加速します。
それでは紫外線の影響で髪にはどのようなことが起こるのでしょうか。
肌へも浸透してしまう紫外線は、髪にも当然吸収されていきます。
肌にはシミができる原因となるように、髪では乾燥、強度の低下、表面の粗雑化、色素・光沢の消失という影響があります。
もちろんカラーやパーマの持ちにも大きな影響あり。
髪の傷みは印象も変えてしまいます。
美しい髪が、その人を何倍も美しくします。
スプレータイプで紫外線対策ができるUVカットスプレーがあると便利。
ただし、
朝のスプレーが夜まで効果を持続するということはありません。
それはどのUVスキンケアでも同じこと。
こまめに塗りなおす、スプレーをする。
紫外線対策は髪にも!
ほこりを落とすためのブラッシングなら
シャンプーする前にブラッシングをすると髪の毛についているほこりを落とすことができる。
聞いたことがあるかと思います。
それは「本当」です。ただし、条件付。
ブラッシングをするときのブラシにはどのようなものを使っていますか?
ほこりを落とす、それなら獣毛ブラシが活躍します。
獣毛ブラシは一般的に使われているのは豚毛です、猪毛もありますが希少で高価であり豚毛ブラシで十分でしょう。
静電気が起こりにくいこと、毛髪に密着することなど特徴がある獣毛ブラシですが、
ぜひ一度使ってみてください。
100円ショップのダイソーにも豚の獣毛ブラシがあり手に入れやすいものです。
もちろん毛の長さや、密度の高さを求めたいならもう少し価格が必要になりますが
まずはお試し、となれば十分なはず。
笑ってしまうほどにホコリがとれます。
これほどホコリがついていたのかと驚くことになるでしょう。
逆に考えてみると、スケルトンブラシやデンマンブラシでは、ほこりを落とす役割には向いていなかったことにも気がつくはずです。
ただし一つ、大きな欠点が。
驚くほどにほこりがブラシにからまりますが、ブラシにしっかりとからまっているために掃除がしにくい。
ピンセットなどで少しずつとっていくという地道がケアが必要です。
ブラシにはさまざまな種類があり、それぞれの用途があります。
高品質なシャンプーやトリートメントの効果をより高めるためには髪の毛についたほこりをしっかりと落とし、成分がいきわたりやすい土台を作っておきましょう。
パーマがかかりにくい、カラーがすぐに落ちる方は・・・
キューティクルは、毛髪の表面にあり通常は4枚から6枚で成り立っています。
そのキューティクルの役割とは
・外部の刺激から毛髪内部を守る盾として
・内部の間充物質などを流出させない蓋として
今回は「間充物質の流出について」です。
コルテックスは毛髪の85%~90%を占めています。
その中にはフィブリルという繊維の束、
そしてフィブリル同士を接着するマトリックス、
毛髪の色を決めるメラニン色素が含まれています。
このフィブリル同士を接着するマトリックスこそが間充物質です。
~間充物質(マトリックス)の働き~
繊維の束フィブリルを接着することが間充物質の主な役割ではありますが、他にも役割があります。
・毛髪に水分とハリを与える
・間充物質が移動することでパーマがかかる
・間充物質が染料を内部にとどめる
つまり、間充物質が毛髪内部に不足していると
・毛髪にツヤやハリがなくなる
・パーマがかかりにくくなる
・ヘアカラーの褪色が早くなる
という状態になります。
キューティクルをしっかりと整え、強化することが間充物質の流出を防ぎます。
毎日のヘアケアは「キューティクル」に重点を置いた適切なケアが必要です。
リンス、トリートメント、コンディショナー、マスク、その違いは?
リンス、トリートメント、コンディショナー、マスク。
シャンプー後には何を使用するのか、ご存知でしょうか。
呼び方が違うだけではありません。
実は作用も大きく違っています。
~リンスの今、昔~
昔はシャンプーの後にはリンスが定番でした。
リンスをお湯に溶かして髪にかける、ブラシでしみこませる。
さまざまな使われ方がありましたが、今ではリンスの使用頻度は低くなっています。
それはトリートメントが誕生したから。
よく言われているのは、
リンスは表面をコーティングするもの。
トリートメントは内部に浸透するもの。
ところがこの常識が変わってきました。
トリートメントは、内部に浸透すると同時に表面にも働きかける作用を持ち合わせたことで
リンスの役割も果たすようになりました。
コンディショナーは両者の役割を併せ持っています。
そのため、リンスという「表面だけに作用するもの」が必要なくなってきたという時代の流れがあります。
~アウトバスという新しいジャンル~
アウトバストリートメントとして最近では「洗い流さないトリートメント」が普及しています。
その名のとおり、洗い流す必要のないトリートメントであり、毛髪の表面を整えると同時に
ブローの熱、コーミングの摩擦からも髪の毛を保護しています。
また、「洗い流さない」特徴があるため、油分やコンディショニング成分が髪にとどまり
徐々に浸透して髪の毛の補修をサポートしています。
~知っておきたい違い~
リンス、トリートメント、コンディショナー、マスク。
それらにはどのような違いがあり、どのようなときに使用をするのか、覚えておきましょう。
髪の状態にあわせた適切なケアをすることで美しい髪の維持につながります。
髪の状態は人によってまちまちです。
それだけではなく、朝昼晩、またはそのときの環境や季節、体調の変化まで髪の毛には影響を与えています。
今。自分の髪にはなにが必要なのか。
何千人、何万人の髪に触れてきた美容師だからこそ、今、髪が何を求めているのかがわかります。
きっと、よいアドバイスが受けられるでしょう。
寝る前には髪を乾かすべき?
もちろんYES
プールの薬剤にぬれた髪、海の塩水にぬれた髪、汗をかいて皮脂汚れで詰まった毛根。
それらは洗い流すのはもちろんですが、
シャンプー後の濡れた髪もしっかりとドライヤーで乾かします。
髪が濡れている状態は、毛髪内部の水素結合が切れているため非常に髪の毛が柔らかくなっています。
やわらかく、というよりはデリケートになっている状態です。
つまり、ダメージを直に受けやすくなっているということ。
寝返りなどで枕との摩擦によって、髪の表面にあるキューティクルをはがしてしまいます。
キューティクルは、髪の表面を守るもの。
毛髪内部から間充物質が流出することをおさえ、さらに外の物質的ストレスから毛髪内部を守る役割があります。
そのキューティクルがはがれるということは、
すなわち
髪が直にダメージを受けるということです。
表面だけではなく内部まで受けてしまったダメージは、簡単に修復させることはできません。
濡れた髪は乾かしてから寝る、美しい髪をキープする大切な約束です。
トリートメントは、毛先を中心に
たっぷりともみこむようにトリートメントをつける、
間違いではありませんが、勘違いになっているかもしれません。
トリートメントは「根元につけるのではなく」「毛先を中心に」たっぷりつけます。
理由は2つあります。
1. 根元にはもみこまない
トリートメントをする、ということは、今まさにシャンプーを終えたところでしょう。
シャンプーによって毛穴をキレイに掃除しています。
毛穴のつまりを除去したところに、油分が多く含まれているトリートメントを詰め込むのはいかがでしょうか。
2. 毛先にダメージが多い
髪のダメージは毛先に行くほどに大きくなっています。
ダメージを受けている毛先にはキューティクルがありません。
つまり、守るためのキューティクルがないということは内部がむき出しの状態になっているということです。
毛先から髪を構成しているタンパク質が流れ出てしまいます。
トリートメントにはコンディショニング成分が多く含まれているため、トリートメントを毛先中心にもみこむことで本来持っているバリア機能をカバーします。
アウトバストリートメントとして「洗い流さないトリートメント」もあります。
洗い流さないために、油分が髪の内部まで浸透する時間があります。
外出時にも毛先をケアしながらバリアする、優秀なトリートメントです。